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温 故 知 新

Episode-10 世代交代~総合機械メーカーへ

世代交代

 

京都製作所・本社
2011年~2017年にかけて、世代交代が始まりました。新分野で開発された様々な機械は、すべて若手社員が担当し、みごとな成果を上げていました。

 
こうした中、2013年に木下喜平が代表取締役社長・兼COOに、橋本進は代表取締役会長・兼CEOに就任し、いよいよ新世代による新経営管理体制が引かれました。
 
一方、設備面でも若返りが計られ、2012年に「技術開発本部」と「クリーンルーム」、そして「大会議室」や「大食堂」を備えた新社屋が建築されました。また2017年には、淀製作所から社名を改めた「京製プレシジョン」が4月に新工場を竣工しました。
 

総合機械メーカーとして

 

錠剤印刷機
医薬業界では、包装分野においてVRIOが業界標準機と認知されていましたが、その上流工程である製剤分野への足がかりとなる錠剤印刷機もまた、若手社員の手により開発に成功します。錠剤の表面には、薬の種類を意味する記号が印字されていますが、この錠剤印刷機は、錠剤を半分に割るための割線(かっせん)を認識し、割線(かっせん)に文字がかからないように印刷ができる機能を備え、しかも処理能力は世界最速である毎時20万個という高性能を誇ります。

 
京都製作所はすでに包装機メーカーからラインコーディネートを主力とする「総合機械メーカー」に成長。包装機の他にも「自動組立機」や「医薬関連機器」にまで手を広げていますが、これらはいずれも新世代が主役の仕事でした。
 
また、ロボット技術も2007年に新世代の手により「パラレルリンクロボット」の開発に成功し、今や包装機の多くがこのロボットを使うことになりました。
全国的な人手不足の中で、ますます省力化機械への需要は伸びており、2016年決算では288億円もの売り上げを達成することができました。
 

新たな飛躍に向けて

 

京都製作所が開発した機械
昭和23年3月に産声をあげ、間借りの工場からスタートした京都製作所。試行錯誤の連続からマッチと出会い、そこで得た機械製造の技術をもとに、現在の基礎である包装技術、段ボール箱詰機の開発。そして民間市場への旅立ち、社内の確執、不況、新たなメディアとの出会い…現在にいたるまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。

 
京都製作所はこれからも包装機械メーカーとして技術力の向上と、高品質で低価格の機械の提供を通じ、社会や顧客との絆を築き上げることが最大の責務であると捉えています。
 
社会構造や産業構造の変革、技術革新がもたらす新市場の創出は、新たな生産合理化・自動化機械の需要を生み出し、さらに、世界規模の市場規制緩和、地球温暖化対策に見られるような環境問題など、時代の変革は同時に新しいビジネスチャンスを提供しています。
 
京都製作所がこれらを確実に活かし、より飛躍していくためには、更なる技術の向上と蓄積は勿論のこと、それによって、さまざまな障害を確実に克服し、お客様と開発される機械に関わる全ての人々に満足して頂くという使命感を持つこと、そして、これらを着実に築き上げていく原動力、すなわち、世代を越えてチャレンジスピリットと技術者魂を受け継いでいく、人材の力がもっとも必要であると考えています。