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開発秘話:DVDパッケージングマシン「0.6秒(COMMA-SIX)との戦い」前編開発秘話:「0.6秒 (COMMA-SIX)との戦い」前編

 思わぬ辞令

岡田(仮名)
『岡田、話がある』 

岡田一郎は、上司である課長の秋元から呼び出しを受けた。

岡田は入社4年目。子供の頃から、とにかく機械いじりが大好きだった彼は、高校時代、アルバイト先で偶然目にした「パン包装機」に興味を持ち、「いつか自分もこんな機械を作ってみたい」と、機械設計の道を志すようになる。京都製作所入社後は、様々な部署を経て、設計のイロハがようやくわかりかけてきた時期であった。一方、上司の秋元は京都製作所・設計部門のエースとして、様々なマシンを市場に送り出していた。その中でも特に高い評価を得たのが「DVD全自動包装システム(DVDパッケージングマシン)」であった。

DVDパッケージングマシン・初号機デジタル化という流れの中で、当時DVDは、映像、記憶メディアなど様々な分野への利用が見込まれていた。京都製作所は、この新メディアにいち早く着目し、技術の粋を集め、世界で初めて「DVDパッケージングマシン」を世に送り出した。秋元は、この開発プロジェクトを指揮し、具体化させた立役者だった。

『次世代機開発プロジェクトメンバーとして参加してほしい』

岡田は正直驚いた。

第一級のエースが投入された傑作の次世代機に、自分のような駆け出しが抜擢されたからである。

今回は、販路拡大を狙う「汎用機」として、社運を賭けたプロジェクトとなるらしい。思い描いていた夢が現実となる…岡田は小躍りする反面、この大役がつとまるのかという一抹の不安を感じていた。

 プロジェクトに突きつけられた課題

今回の具体的な案件は次の2つであった。

 ≪1≫ 処理速度を現行の毎分/60ケースから100ケースにアップさせる
 ≪2≫ システムそのものをコンパクト化し、省スペース化を図る

ところで、「DVDパッケージングマシン」の処理工程は、次のようなプロセスで構成されている。

DVDパッケージングマシン処理工程

この一連の処理を毎分100ケースに高速化することが、今回最大の課題である。
では、このプロセスを時間軸で詳しく見ていくと、

 ●従来型マシンの各工程における処理速度 60秒÷60ケース処理=1.0秒
        ↓
 ●今回求められた処理速度スペック    60秒÷100ケース処理=0.6秒 (-0.4)

つまり、毎分100ケースを処理するということは、各プロセスを全て0.6秒以内で完結させる必要がある。従来型と比較して約0.4秒を短縮し、しかも省スペース設計にする。一見単純な課題の中に、解決しなければならない難題は山積していた。


 強敵は目前にあり

岡田の担当セクションが決まった。

(処理工程プロセス図の第2工程)「タイトルページ(表紙の紙)を、ケースと外装透明フィルムの間に差し込む」

しかも、この部門を一任するという。

岡田は慌てた。

何故なら、このセクションは初期型マシンを開発する際に、最も難航した部門だったのである。

もし、お手元にDVDやBlu-ray Discのケースがあれば、是非試してほしい。ケースと外装フィルムのわずかに隙間に、紙を入れることが如何に大変なことかがお判りいただけるだろう。紙はやわらかく、変形しやすい厄介な品物。実際、ほんの数年前までこの工程は、全て手作業で処理されていた。この厄介な問題を解決するために、当時の担当技術者たちは試行錯誤を重ね、ある部品を完成させる。


 コードネーム「カ・モ・メ」

カモメ一見飛行機の尾翼を思わせるこの部品は、表面にタイトルページを押し当てて、エアーで紙を吸引することで紙そのものをM字型(コードネームは、この形が「カモメ」に似ていることから名付けられた)に曲げてしまうために考案されたもので、その部品ごとケースの隙間に挿入し、エアーを吹き出すことで紙を放し、部品だけ抜き取って、タイトルページの差込が完成するという仕掛けであった。画期的な発明として、初の「DVDパッケージングマシン」を具体化させたこの「カ・モ・メ」が、今回高速化、省スペース化という新たな課題に直面したのである。

岡田は1人この「カ・モ・メ」に翻弄された。現行システムの高速化は、紙はもとよりケース本体を破損し、しかも、多くの面積を必要としたため、小型化の最大のネックとなっていたのだ。


 常識を破る「逆転の発想」

「カ・モ・メ」と格闘していた岡田に、ある日、大きな転機が訪れる。それは、まさにひらめきであった。

改良型カモメと機構

『紙(タイトルカード)を差し込むから、破けるんだ。紙をそのままにして、ケースを突っ込ませてみたらどうなるだろう』

ケースに紙(タイトルページ)を差し込まない…つまり、紙を差し込むのではなく、紙(=紙を吸引した「カモメ」)を固定して、ケース本体を突っ込むというギミックを思いついたのである。

それは、まさに「逆転発想」の勝利であった。極めて単純明快なこのアイデアは、紙やケースを損傷させることなく高速処理を可能とし、あわせて作業スペースのコンパクト化にも一役買ったのである。

岡田は合わせて、「カ・モ・メ」本体についても見直しを図り、ケースに傷をつけないよう表面を滑らかな流線型のフォルムに改良、また、紙をきれいに張った状態に保つため、表面にあけられた空気穴や溝の配列・太さにも工夫を凝らした。


 新たな難題

試作機が完成し、その動きをつぶさに見ていた秋元が色めき立った。

『やったじゃないか、岡田!』

秋元が期待していた岡田の「柔軟な発想」が、1つの難関を突破させたのである。岡田は、難題を解決したという満足感、そしてやり遂げたという自信に満ちていた。だが、安堵の表情が一瞬にして硬直する…秋元の激がとぶ!

『このままでは、お客様に納品することはできないぞ!』

岡田たちに、また新たな難題が立ちはだかった。

※登場する人物は全て仮名です


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